アンチエイジングに良い油についてわかりやすく解説しています。
食用油を「加熱用」と「非加熱用」に分ける重要性、食用油の選び方についても解説しているので、最後まで読んでいただけると幸いです。
アンチエイジングに必要な油
脂質は細胞やホルモンの材料になるので、アンチエイジングにとって「油」は必要です。
ただし、脂肪酸の種類によって老化の原因になる油があるので要注意です。毎日の料理で使用する食用油だからこそ、油は慎重に選ぶ必要があります。
油(脂質)が分解されたあとの脂肪酸は、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に大別されますが、今回は食用油にフォーカスして「不飽和脂肪酸」のみをご紹介します。
老化の原因になる油を選ばない
不飽和脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸の「オメガ3(α-リノレン酸)」「オメガ6(リノール酸)」、一価不飽和脂肪酸の「オメガ9(オレイン酸)」に分かれます。
オメガ6(リノール酸)の食用油
オメガ6(リノール酸)の過剰摂取は、老化の原因「炎症」を引き起こす可能性があります。
オメガ6(リノール酸)自体は必須脂肪酸なので、食事から摂取する必要があるのですが、牛肉の脂や豚肉の脂、魚の脂身など、日常的な食品から摂り込んでいるため、オメガ6(リノール酸)の食用油を使用すると過剰摂取になってしまいます。
オメガ6(リノール酸)の食用油は次のとおりです。
- サラダ油(グレープシード油、コーン油など)
- ひまわり油
- 大豆油
これらの食用油を使っている場合、アンチエイジングだけでなく、健康や美容のためにも廃棄することをおすすめします。
オメガ9(オレイン酸)の食用油
オメガ9(オレイン酸)は、たんぱく質や糖質から体内で合成できるため、必ず摂らなければいけない油ではありません。
しかし、オメガ9(オレイン酸)の食用油は高温でも酸化しにくいため、加熱調理に使用したい油です。
オメガ9(オレイン酸)の食用油は次のとおりです。
- こめ油
- ごま油
- なたね油(キャノーラ油)
- オリーブオイル
ただ、オリーブオイルに関しては注意が必要です。
エキストラバージンオリーブオイル(酸度0.8%未満)は高温によって酸化しやすいため、過熱調理に使用する場合はピュアオリーブオイル(酸度2.0%未満)がおすすめです。
オメガ3(α-リノレン酸)
オメガ3(α-リノレン酸)は体内で合成することができない必須脂肪酸であり、積極的に摂りたい油です。
なぜなら、オメガ3脂肪酸には「抗炎症作用」と「抗酸化作用」があるため、アンチエイジングにとって最適な油だからです。
参考 抗酸化作用のある食べ物
オメガ3脂肪酸は、天然の青背魚(アジ、サバ、イワシ、サンマ、カツオなど)から、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)というかたちで摂取するのが望ましいです。
しかし、天然の青背魚を毎日食べられないという人は、オメガ3(α-リノレン酸)の食用油から摂取する必要があるのです。
オメガ3(α-リノレン酸)の食用油は次のとおりです。
- えごま油
- 亜麻仁油(フラックスシードオイル)
- グリーンナッツオイル
ただ、えごま油と亜麻仁油(フラックスシードオイル)に関しては、熱や紫外線に弱く、酸化しやすいため、保存には注意が必要であり、加熱調理には使用できません。
食用油は「加熱用」と「非加熱用」を使い分ける
食用油には、アンチエイジングにとって「良い油」と「悪い油」があるため、良い油は積極的に摂り、悪い油は意識的に摂らないことが大切です。
しかし、良い油であっても使用方法や保存方法を誤ると、過酸化脂質として老化の原因「酸化」を引き起こしてしまいます。
例えば、エキストラバージンオリーブオイルを加熱したフライパンで使用する人もいますが、そのオリーブオイルが熱によって酸化し、体内に入ったときに活性酸素が発生してしまいます。
ですから、食用油は「加熱用」と「非加熱用」を使い分けることが大切です。
食用油の選び方
食用油の選び方は、アンチエイジングにとって「良い油」を選ぶこと、そして「加熱用」と「非加熱用」を選ぶことが大前提です。
また、食用油の酸化を防止するために「遮光瓶入り」であったり、油の作り方も「低温圧搾」や「一番搾り」などを意識すると良いでしょう。
その上で、不足しがちな脂肪酸の種類、使いやすさや味の好み、保管のしやすさなどを考慮して、我が家で使用している食用油をおすすめしたいと思います。
アンチエイジングにおすすめの油「加熱用」
焼いたり、炒めたりするときに使用できる過熱用の油です。
グリーンナッツオイル(オメガ3・α-リノレン酸)
グリーンナッツオイルは、オメガ3(α-リノレン酸)なのに加熱調理に使える油です。
サッチャインチの完熟種実を圧搾して得られるグリーンナッツオイル(以下GNOと記す)は,ω3系脂肪酸であるα-リノレン酸とγ-トコフェロールを豊富に含む。この油は生体に対する高い抗酸化力と,DNAの酸化損傷抑制力を有することを以前発表者らは報告した。一方,一般にω3系脂肪酸を豊富に含む油脂は加熱や光に弱く,保存や調理の際の酸化が問題となる。GNOと同様にω3系脂肪酸の豊富なアマニ油,エゴマ油について紫外線照射と加熱を行ったところ,いずれもGNOの劣化度が最も低かった。
引用:日本調理科学会大会
もちろん非加熱用として生で使用することもできますが、加熱調理でもオメガ3(α-リノレン酸)を摂りたいというときに非常に便利です。
ただ、揚げ物には使用できないこと、そして値段が高いので、少量の油を使う場合のみ使用するとうにしています。
ピュアオリーブオイル(オメガ9・オレイン酸)
ピュアオリーブオイルはオメガ9(オレイン酸)なので、積極的に摂る必要はありませんが、加熱調理できる油なので揚げ物にも使用できます。
米油(オメガ9・オレイン酸)
米油もオメガ9(オレイン酸)なので、積極的に摂る必要はありませんが、安価な油であるため、大量に油を使用するときにおすすめです。
アンチエイジングにおすすめの油「非加熱用」
野菜サラダや料理の仕上げに使用する非加熱用の油です。
亜麻仁油(オメガ3・α-リノレン酸)
亜麻仁油は亜麻の種子から抽出された油です。オメガ3(α-リノレン酸)を摂るために野菜サラダにかけて食べることが多いです。
えごま油(オメガ3・α-リノレン酸)
えごま油はえごまという植物の種子から抽出された油です。亜麻仁油と同じようにオメガ3(α-リノレン酸)を摂れる油ですが、味の好みによるので我が家では納豆にかけて食べています。
エキストラバージンオリーブオイル(オメガ9・オレイン酸)
エキストラバージンオリーブオイルは、オメガ9(オレイン酸)なので、脂肪酸として摂る必要はありません。
ただ、良質なエキストラバージンオリーブオイルには、ビタミンEやポリフェノールといった抗酸化物質が含まれているため、料理の仕上げに使用することがあります。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
食用油から摂取した脂肪酸は、細胞やホルモンの材料になるため、「良い油」か「悪い油」なのかアンチエイジングにとって非常に重要です。
普段から使っている油の賞味期限はもちろん、アンチエイジングにとって良い油なのか、加熱調理できる油なのかチェックしてみましょう。